高崎経大付の双子の兄弟、兄高橋周平主将(3年)と弟幸平捕手(3年)は、力を合わせて大きな壁を乗り越える。第99回全国高校野球群馬大会(7月8日開幕)の組み合わせが16日、前橋市内で行われた。昨秋県大会ベスト4の高崎経大付は、初戦で前橋育英と対戦する。いきなり昨年優勝校が相手だが、自分たちの野球を貫き、結果で両親に恩返しをすると誓った。

 一卵性双生児で挑む最後の夏に、いきなり大きな壁が立ちふさがった。高崎経大付の高橋周平主将がくじを引くと、会場がどよめいた。初戦の相手が4季連続で県大会を制している前橋育英に決まった。それでも周平は「弱気では勝てない。相手に関係なく、自分たちの野球を貫きます」と堂々と語った。

 双子の弟で副主将の幸平とは、自宅で10畳ほどの2人部屋で生活する。昨秋から、練習や試合で結果が出ないと帰宅後に必ず「兄弟ミーティング」を開く。春季大会で初戦敗退した直後は「どうやったら試合を想定した練習ができるか」をテーマに話し合った。敗因は「打者陣が、速球や内角の球に対応できていないこと」と意見が一致した。打撃練習用バットを1キロから700グラムに変更する案を、小池美徳(よしのり)監督(50)に直訴した。

 2人の意図通りにチーム全体の打撃力が上がった。主将の周平は「軽いバットでしっかり振り、スイングスピードも打球も速くなった。ヒット数も増えました」。小池監督も「あの2人が中心になってくれた。自分たちで考える能力が高い」と評価する。

 兄弟とも、野球は高校で終わりと決めている。弟幸平は「周平と、2人とも良いプレーができるとは限らない。支え合っていければ」と意気込む。周平は50メートル6秒1の俊足で走塁が得意な3番打者。幸平は4番打者で、今シーズン通算打率4割超えとチャンスに強い。兄弟ミーティングで対策を講じ、力を合わせて強敵に向かう。【太田皐介】