「私たちは野球を愛しています」。早実・清宮幸太郎主将(3年)が、東・西東京大会の開会式で選手宣誓し、あふれる“野球愛”を言葉に込めた。約1万5000人の観衆が集まる中、小池百合子都知事(64)の祝辞の後、人生初の大役を堂々と務めた。約1分15秒間の選手宣誓の自己採点は「100点」。「野球の神様に愛される」最後の夏が幕を開けた。

 「宣誓」-。清宮の声が神宮に響き渡った。一言一句に注目するスタンドは静寂に包まれた。一呼吸置き、清宮は“野球愛”を堂々と宣言した。

 清宮 私たちは野球を愛しています。

 小池百合子都知事の祝辞でスタンドが沸く中、1フレーズで球場の雰囲気を変えた。「(自己採点は)100点じゃないですかね」。高校通算103本塁打のバットと同様、コメント力も超高校級だった。

 野球への告白は、素直な心情だった。「好きっていうよりかは、愛しているので。より思いが伝わるのかなと」。そして、18歳の青年の心に衝撃を与えた出来事も頭の中を巡った。「(がんで死去した)小林麻央さんが言っていた言葉が、すごく印象に残った」。

 選手宣誓への準備も「全力プレー」で進めた。「結構、悩みました。言いたいことをまず並べて」と振り返った文言は、6月末からの試験前に完成。暗記は試験後の7月上旬に始め、「家でも、グラウンドでも言ってました」。声がかれないように、前日7日の練習は「荒らげないように。(声を)しっかり整えて」本番を迎えた。