センバツ8強の福岡大大濠が、10-0の5回コールドで純真を下し、春夏連続出場へ力強く発進した。プロ注目の三浦銀二投手(3年)がセンバツの教訓を胸に4回1安打無失点、2回2死から6連続を含む9奪三振の快投を披露した。

 「直球で圧倒し球威で黙らせたかった」と、初回からエンジン全開。視察に訪れた巨人など国内10球団のスカウトの評価を上げた。最速146キロのエース右腕は「1度行ったら戻りたくなる場所。高校生の間にもう1度プレーしたい」と聖地へ思いをはせた。

 センバツでの滋賀学園との2回戦では、延長15回引き分けと再試合を連続完投しベスト8入りに導いた。注目を浴びたが「甘い球は打たれる。1つ1つの精度を上げなければ」と教訓も得た。フォーム安定のため遠投を取り入れ、最大50球のブルペン投球を2日続けるなど制球に磨きをかけた。今月2日に行われた昨夏佐賀代表の唐津商との練習試合は9回1失点。最後の夏へ調子は上々だった。

 昨夏の苦い経験がある。エース浜地真澄投手(現阪神)を擁し、優勝候補とされながら初戦敗退。「初戦は何が起こるか分からないので生徒はかなり気合が入っていた」と八木啓伸監督(39)。三浦は1週間前、浜地からメールで激励された。「浜地さんの悔しい思いも背負い投げられれば」。初戦の勢いのまま頂点まで走り続ける。【菊川光一】