長岡工がアクシデントを乗り越えて逆転勝ちした。4-6の8回裏に一挙6点を挙げ、新発田中央を10-6で破った。太刀川郁右翼手(2年)が4回表の守備で負傷。代わりに入った大野勝平右翼手(3年)も8回裏の攻撃で負傷退場するピンチを発奮材料にして、チームが結束した。

 チームが1つになった。結束を固めた長岡工が逆転に成功した。8回裏だ。4-6から敵失に4本の適時打を絡めて一挙6点。同点にした2死二、三塁から9番鈴木光成捕手(2年)の遊失で勝ち越し、続く1番田辺壮(2年)の右中間の適時二塁打、2番佐藤朝陽(同)の左前2点適時打で突き放す。

 7番久保田碧人主将(3年)は「太刀川と大野のために絶対に勝ちたかった」とベンチのムードを話す。4回表、右飛を追った太刀川が転倒して左ひじを負傷。交代で右翼に入った大野は8回の猛攻の口火を切った。三塁ゴロで一塁に頭から滑り込み、失策を誘った。だが、このときに右肩を脱臼。2人とも新発田市内の病院に運ばれた。

 そんなアクシデントを力に変えた。渡辺将史監督(40)は「夏は初戦から総力戦になる。ケガで戦力を失ったのは意外だが、全員で戦わなければならないことは同じ」。熱くなり過ぎてもおかしくない状況だが、選手は冷静だった。「呼び込んで、浮いた球をしっかりたたく」。久保田主将が言うように、8回の攻撃は田辺の長打以外はすべてゴロ。確実につないで逆転劇を演じた。

 3回戦は15日、新潟明訓と対戦。2人が間に合うかはまだ分からない。久保田主将は言う。「太刀川、大野と一緒に野球がしたい」。復帰を待つためにも勝ち続ける。【斎藤慎一郎】