全国高校野球静岡大会が今日15日から再開し、10球場で1回戦24試合が行われる。ノーシードから11年ぶり10度目の夏の甲子園を目指す静岡商は、15年夏4強で昨夏も16強入りの強豪・磐田南と対戦する。1番岩間亮外野手(3年)が積極的な打撃で切り込み役となり、1回戦屈指の好カードを制して、聖地への足掛かりとする決意だ。

 静岡商の岩間は50メートル走6秒4。1番打者としては特別、足があるわけではない。持ち味は右中間に長打を打てるパンチ力で、高校通算本塁打は6本を数える。

 岩間 深く考えすぎず、積極的にガツンと振っていきたい。ヒットで出てチームに勢いをつけたいです。

 5月9日に草薙球場で行われた静岡との定期戦でも1番で起用され、大勢の観客と応援団の声援が飛び交う夏本番さながらの雰囲気の中、プレーボール直後の初球を中前にはじき返している。伝統校の1番を担うことについても「重い仕事だと思いますが、硬くなっても仕方ない。思い切りやりたいです」と積極性を貫く構えだ。昨年4月から指揮を執る高田晋松監督(47)も「岩間が打つと盛り上がる。切り込み隊長としても、下位打線が作ったチャンスをかえす『裏の4番』としても期待しています」と信頼を寄せる。

 対する磐田南は、エース左腕の丹羽優介(3年)と右腕の水野椋太(3年)の左右の好投手をそろえ、今春県大会では島田商に敗れシード権こそ逃したが、2回戦に進出した強豪だ。右打ちの岩間は「すごくいいチームという印象です。左投手は得意ですし、右投手の変化球にも対応していきたい」と話す。切り込み隊長にして「裏の4番」。岩間のバットが名門を勢いに乗せる。【鈴木正章】