今夏は1回戦から中継ぎや抑えで登板してきた。サプライズ起用に映ったが「1回戦から試したのは、決勝を見据えて」の我喜屋マジックだった。相手は昨秋の県大会決勝、今春の県大会3位決定戦で連敗した美来工科。そして思惑通り、初対戦の新人左腕が相手打線を翻弄(ほんろう)した。

 1年生だが実力は十分だ。昨年、U15の日本代表として世界大会に出場。経験を積んだ。興南入学後も毎日ブルペン入りし、制球を安定させるため100~150球を投げた成果も出た。「もう少し緩急をつけたい」。成長に貪欲な、末恐ろしいスーパー1年生が甲子園に行く。【菊川光一】

 ◆興南 1962年(昭37)私立興南学園として創立。普通科のみで生徒数は928人(女子360人)。野球部創部は62年。部員数133人。甲子園は春4度、夏は15年以来11度目の出場。優勝は春夏ともに10年の1度ずつ。主なOBは高良一輝(日本ハム)島袋洋奨(ソフトバンク)具志堅用高(ボクシング元世界王者)ら。所在地は沖縄県那覇市古島1の7の1。我喜屋優校長。

◆Vへの足跡◆

1回戦9-2向陽

2回戦6-0真和志

3回戦3-2読谷

準々決勝3-0宮古

準決勝2-0糸満

決勝15-1美来工科