第4シードの山形商が新庄神室産との雨中の激戦を制した。同点の9回表、1時間35分の雨天中断を経て再開された無死満塁の大ピンチを、3年生右腕佐藤広清が無失点で切り抜けると、延長10回裏に4番菊池優吾内野手(3年)が左犠飛を放ち試合を決めた。

 勝利目前の9回表、4点リードの山形商に雨が襲いかかった。持ち味の制球力を武器にここまで1失点、四死球0と好投していたエース右腕秋葉駿一(3年)が先頭打者に中前打を浴びたところで雨脚が強まり、マウンド周辺は水が浮いた状態に。「ここまで強い雨の中で投げたのは初めて。置きにいった直球でストライクを取るのがやっとだった」(秋葉)と3安打3四死球で1点差に。代わった佐藤広も右前に同点打を浴びたところで試合は中断した。

 横山智也監督(40)は「中断してくれて逆に冷静になった」と話し、無死満塁から再開される守備隊形などを改めて確認。再開後、同点で無死満塁と「野球人生で一番緊張した。正直嫌だった」とマウンドに上がった佐藤広は、秋葉から「お前が打たれて負けても悔いはないよ」と声を掛けられて腹をくくった。全て直球の気合の投球で3人を断ち切り、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。快進撃の予感もする、ヤマショーのゲキショーだった。