大師が、桐蔭学園を逆転で下し4回戦に進出した。1点を追う6回1死一、三塁から、吉川央望(ひろみ)内野手(2年)のセーフティースクイズで同点に追いつく。さらに、2死一塁から、2者連続死球と押し出し四球で1点勝ち越し。2死満塁から鷲尾海耀(かいよう)内野手(2年)の左前打が2点適時打となった。

 守っては先発の寒河江翔(さがえ・つばさ)投手(2年)が、6安打3四死球5三振3失点(自責点1)で完投した。

 第3シードを撃破する適時打を放った鷲尾は「3年生がチャンスで回してくれたので、振ることだけ考えて打席に立ちました。どこが相手だろうが、私立だろうが意識しない、1年間やってきた『圧倒野球を貫く』ができた」と胸を張った。寒河江は完投について「後ろに先輩がいるので、思い切り投げることができました」と、初回から全力投球した結果と強調。シード撃破には「1点勝負だと分かっていた。何回か牙をむいてくると思っていたけど、今を戦うことを意識して、牙をむいてきた時には、気迫で押し返す。そう全員で決めてました」と気持ちで負けていなかったと話した。

 ミスに負けない強さがあった。8回は2死から2連続失策で一、三塁。さらに相手主軸・柿崎の右飛を右翼手が落球(記録は2点適時二塁打)。9回も1死一塁から失策が出るなど、ミスが重なりピンチが多かった。ただ、野原慎太郎監督(34)は「横浜や東海大相模の試合でもミスがあると、選手たちには普段から話しています。ミスをしても心の持ち方が大事。7割ミスする打者を相手にするんだと、良い意味で上から目線でプレーすればいいと話していました。今日は上から目線でやってくれましたね。(4回に先制されても)シナリオ通りって選手は言ってました」と、気負わずプレーした選手をほめたたえた。