山形は山形南、山形商の伝統校がそれぞれ久しぶりの8強進出を決めた。

 山形南が鶴岡南との伝統進学校決戦を8-6で制し、4強に進出した10年以来7年ぶりに準々決勝に駒を進めた。15日の東海大山形との2回戦で延長12回に決勝打を放った3番岡崎隼治外野手(3年)が、この日も先制打を含む2安打2打点と気を吐き「途中ハラハラしたけど、勝ててよかった」と胸を張った。

 応援合戦に花が咲いた。一塁側の鶴岡南スタンドは全校生徒の男女約600人が声援を送ったのに対し、男子のみの男女共学校として知られる山形南の三塁側は約800人の男子全校生徒が集結。コンバットマーチのリズムに乗って「ナンコー!」と野太い声を張り上げた。右翼手の岡崎は「守ってても、三塁側から応援が聞こえてきた。迫力が違った」と感謝した。

 入学式直後に新入生を対象とした応援練習が山形南の伝統となっている。暗い講堂の中で応援団から約4時間ほど応援歌と応援マーチをたたき込まれる。今でも、過呼吸になって涙ながらに応援の練習をする生徒がいるという。母校を率いて5年目の石井貴之監督(43)は「応援練習は南高生になるためのステップともいえる行事。気合が入りますよね」と伝統の力を強調した。

 明日20日の準々決勝は、昨夏の初戦でコールド負けした日大山形と激突する。岡崎は「日大に勝たないと始まらない。打つべきところで打てば勝てると思う」と自信を見せた。再び全校応援の力を結集し、第1シードを撃破する。【高橋洋平】