作新学院(栃木)の3番鈴木萌斗外野手(3年)が相手のプロ注目右腕、石川翔投手(3年)に強烈な先制パンチを見舞った。0-0の3回2死満塁から石川の142キロ直球を左中間へ3点適時三塁打。普段はクールな男が、三塁上で右拳を突き上げた。「ここで打たないと、作新のクリーンアップじゃないと思いました」と胸を張った。

 最速151キロを記録した石川対策が功を奏した。打撃練習で投手を3~4メートル前に立たせて速球に目を慣らした。「良い投手なのは分かっていました。練習のおかげで1打席目から打てない球ではないなと」。1打席目には146キロを中前打していた。

 好投手を攻略し、夏の栃木大会7連覇に王手をかけた。鈴木は「全国優勝した去年よりも、練習をやってきた自負はあります」。決勝は3年連続同じカードとなる国学院栃木。「決勝で負けたら意味がない。相手も気持ちはあるだろうけど、そこに負けないように戦います」。7年連続の夢舞台は、もう目の前だ。【太田皐介】