千葉では木更津総合・山下輝(ひかる)投手(3年)が、東海大市原望洋・金久保優斗投手(3年)に投げ勝った。今日25日の決勝は木更津総合と習志野の対決となった。

 千葉ナンバー腕は俺だ! 木更津総合・山下が、準決勝で東海大市原望洋・金久保優斗投手(3年)に投げ勝った。勝利の瞬間、ポンとグラブをたたいた。9回2失点完投勝利だった。

 この夏の武器がさえた。ピンチにはツーシームを見せて、得意のストレート、スライダーで三振を奪った。5回には1死一、二塁から2三振に仕留め波に乗り、7回を除く毎回奪三振。8回から9回にかけては4者連続三振で5安打14三振を記録した。ロッテ永野チーフスカウトは「小さく落ちる130キロ台のツーシームが三振を取る上で効果的。ストレートと同じ腕の振りで投げている。お手本のよう」と太鼓判を押した。

 この冬、五島卓道監督(63)が山下に与えた課題は「球種を2つ増やす」「スピードを140キロまで上げる」の2つ。「右打者の三振を取るために曲がる球が必要」とツーシームとチェンジアップを課題に、まだ在学中だった昨年のエース早大1年・早川隆久投手に直接指導を仰いだ。早川は「ポイントはボールの握り。2、3日に1度、ブルペンのボールを見て、アドバイスした」と振り返る。冬は1日100球の投げ込み。真面目な性格から、時には球数が多くなり五島監督が止めに入るほどだった。練習に加え、1日5合のご飯で体重は10キロ増で最速も149キロに達した。「山下は本当に伸びてくれた」と五島監督も認める存在に成長した。

 大会直前、早川にラインを送った。「自分が引っ張って、暴れてきます!」。先輩に誓った言葉通り、今日、決勝の舞台で暴れるつもりだ。【保坂淑子】