今日8日に始まる第99回全国高校野球選手権(甲子園)で藤枝明誠(静岡)が、第3試合(午後3時30分開始予定)で津田学園(三重)と対する。初出場校同士の戦いで、打撃好調の4番中田悠斗主将(3年)は7日、5得点以上での勝利を誓った。エース久保田蒼布(そう=3年)も好調を維持。県勢4年ぶりの初戦突破で、「日本一、1番が長い校歌」を歌う決意だ。

 台風5号の影響で雨が降る中、藤枝明誠は、奈良・生駒市の近大室内練習場で最終調整した。約1時間30分の練習後、中田が自信に満ちた表情で言った。

 「状態は万全です。やるべきことをやれば大丈夫。勝ちますよ」

 県大会ではチーム2位の打率4割1分7厘。大阪入り後もシート打撃で本塁打を放つなど、好調を維持している。この日は入念にロングティー打撃でフォームを確認した。「体が開いて、引っ張りにいっていたので、センターから逆方向を意識しました」。

 津田学園は、本格派右腕の水谷翼(3年)と軟投派左腕の若林潤(3年)の継投で三重県大会を勝ち上がってきた。DVDで両投手を確認した中田は言った。「右は直球も変化球もいいし、左はコントロールが良かった。接戦になると思いますが、5点を目指して頑張りたいです」。

 久保田も順調だ。前日に続いてブルペンに入り、打者をイメージしながら46球を投じた。「今年に入ってから一番いい状態です。入りの3回を大事に、チームに勢いをつけたいです」。

 初出場同士の対決だが、今の藤枝明誠は自信にあふれている。昨年までの10年、夏の甲子園に出場したのは常葉学園菊川、常葉学園橘、静岡の3校のみ。その壁を総合力で打ち破った。県代表の3年連続初戦敗退も気にしていない。

 さらに藤枝市は「サッカーのまち」で、同校も昨冬の全国高校選手権に出場した強豪だが、初戦で敗退した。中田は「サッカー部からは刺激を受けています。野球は(全国で)勝ちたいです」と言った。勝てば「日本一、1番が長い」(藤枝市発表)校歌を歌える。3分1秒。思う存分の大声を甲子園にとどろかせる。【鈴木正章】