21年ぶりの夏の初戦突破は目前で消えた。16年ぶり3度目の夏の甲子園出場だった波佐見(長崎)が、開幕戦で逆転サヨナラ負けを喫した。1点リードで迎えた9回。先発の隅田が同点に追いつかれ、2番手の村川竜もピンチを抑えることはできなかった。それでも、選手に涙はない。8回2/3、131球を投げた隅田は「やってきたことは出せた。投球に悔いはないです」。村川竜も「僕の力不足です」と、敗戦を受け入れた。

 2回に先制し、ビハインドで迎えた7回に1度は逆転するなど、長崎大会5試合で38得点した打力はみせつけた。人口約1万5000人の波佐見町からは、バス13台で約1500人の応援団が駆けつけた。9回2死で同点とされ、最後は力尽きたが、選手に温かい拍手が送られた。

 得永健監督(48)も「選手はみんな頑張ってくれました。私が(チームを)仕上げることができなかった」と、熱戦を繰り広げたナインをねぎらった。長崎県勢は夏の大会での優勝がないが、悲願を達成するため、再び聖地に戻ってくる。

 ◆長崎県勢が開幕戦4連敗 夏の開幕戦に出場した長崎県勢は26年長崎商、80年瓊浦、88年小浜に次いで波佐見も敗れ0勝4敗。センバツ開幕戦でも87年海星が敗れており、春夏を通じて5戦未勝利となった。

 ◆開幕戦の1発応酬 波佐見・内野、彦根東・吉本が本塁打。夏の開幕戦で両チームが1発を放ったのは1925年の東山中・加藤、北海中・田上以来、92年ぶり2度目。