第99回全国高校野球選手権(甲子園)の南北北海道代表2校が今日12日、そろって初戦に挑む。11日は兵庫県伊丹市内で、それぞれ約2時間の最終調整。第3試合(午後2時半開始)の北海は、左肩痛から完全復活したエース左腕、多間隼介(3年)が昨夏準優勝の経験を生かし、神戸国際大付(兵庫)打線を寸断する。

 多間がしっかり本番に合わせた。関西入り後は1日約40球の投げ込みで調整も、開会式が雨天中止になった7日だけは室内で100球を投げ込んだ。「甲子園は相当、暑さを感じる。だから湿度の高い室内で多く投げられたのが大きかった。今日もいい球が投げられたし、後は(佐藤)大雅を信じて投げるだけ」。4月に左肩を痛め、南大会は決勝の85球が最多。先発すれば7月2日、札幌地区代表決定戦の札幌南戦以来となる。体力面に不安があったが、独自の調整で最高の状態に仕上げてきた。

 今度こそ勝利の瞬間を引き寄せる。OBで11年夏に甲子園出場した兄泰介さん(北翔大3年)から出発前夜、「今まで通りお前らしく戦ってこい」とメールが届いた。三塁手の兄は初戦で明徳義塾にサヨナラ負け、自身は昨夏決勝で初登板も、6回2失点で準優勝。「目の前で優勝の瞬間を見た。今度は自分たちがそういう結果で終われるよう、目の前の1戦をしっかり戦いたい」と前を見据えた。

 対策は頭に入っている。「4番の猪田(和希)選手がいい打者なので、その前で断ち切ること。大西さんも立ち上がりが良かったし自分もそうできるように」。昨夏学んだ大西の冷静な投球を手本に、相手打線を細切れにしていく。【永野高輔】