糸魚川白嶺の綱島龍生遊撃手(3年)は、26日のドラフト会議を心待ちにしている。2球団が興味を示している逸材で、走攻守にオールマイティーの才能を備えたプレーヤー。178センチ、72キロと決して恵まれた体ではないが、身体能力の高さがセールスポイントだ。

 1、2年生に交じってグラウンドで躍動する綱島は、練習で高鳴る心臓の鼓動以上の胸の高まりを、日増しに募らせていた。「ドラフトまで1週間を切った。結構、緊張しています」。調査書が届いているのは2球団。「小学生から憧れていた」プロ野球選手へ、運命の日は26日だ。将来に備えて、練習参加する3年生はたった1人だ。

 綱島は外見だけなら、どこにでもいる普通の選手。ところが、全身には高い運動能力が詰まっている。50メートル走は6秒0。塁に出ると、丸山卓真監督(42)はノーサインで走らせていた。肩の強さもアピールポイントで、遠投は110メートル。公式戦の登板はなかったものの、練習試合ではワンポイントで投げると、直球は最速135キロを計測した。「自分の長所は足と肩」と自分自身を知っていた。

 丸山監督は「1年生から左中間にいい当たりを打っていた。遊撃手の頭をスカッと抜けた」と左打者・綱島を1年春から3番打者に据えた。右足首を痛めた1年冬には「ずっと学校の筋トレルームにこもった」と筋力をアップさせて、引っ張る打撃も身につけた。広角打法のプロ注目選手として警戒された今夏は、2試合11打数4安打の打率3割6分4厘。安打の半数が長打だった。「阪神の鳥谷(敬=内野手)選手のように足が速くて守備もうまく、打撃のいいプレーヤーになりたい」。将来の目標は、自分の資質と十分重なっていた。【涌井幹雄】

 ◆綱島龍生(つなしま・りゅうせい)2000年(平12)1月21日、糸魚川市生まれ。野球は糸魚川小1年夏から始め、糸魚川中では捕手。高校でも1年春から捕手で、遊撃手に転向したのは1年秋から。右投げ左打ち。178センチ、72キロ。血液型A。