静岡(静岡1位)が6-5で東邦(愛知1位)を破り、2年連続4度目の優勝と明治神宮大会(10日開幕、神宮球場)出場を決めた。1番村松開人内野手(2年)が準決勝に続いて4安打を放ち、春翔一朗投手(2年)も4回1失点の好救援を見せた。既に来春センバツ出場を確実にしているチームは、公式戦12連勝。次は3度目出場の明治神宮大会で初勝利を目指す。

 春が叫んだ。クルリと回って外野陣へ「打たせるぞ~」。9回裏2死走者なし、東邦4番石川昂弥内野手(1年)を2ストライクに追い込んだ直後だった。そして、得意のスライダーを投じて見逃し三振。駆け寄る黒岩陽介主将(2年)と抱き合い、歓喜の輪に包まれた。

 公式戦12連勝で大会2連覇を達成。現チームで負けなし(練習試合含めて39勝1分け)の東邦にまで競り勝った。2日連続で4安打の村松は興奮を隠さずに言った。「新チームが始まってから、ずっと目標にしてきた大会で優勝を成し遂げ、すごくうれしいです」。

 1回表に木下将吾外野手(2年)の適時打で先制するも、同回裏には強打の東邦に2本塁打を浴び、1-3と逆転された。それでも、崩れないのが今の静高。黒岩は「実力は向こうが上でしたが、1戦1戦、必死にやってきたことが、結果につながって良かったです」と振り返った。

 黒岩によると、現チームは「自分たちは弱い」と認識するところから始まったという。「昨年、勝ったのは先輩たちのおかげで、自分たちはまだ何もしていない。挑戦者なんだということです」。元々、元気の良かった2年が、向かっていく姿勢をさらに強くすることで、例年以上に活気づき、勢いと粘り強さが生まれた。木下も「(県大会2回戦の)掛西戦で、先制されてもベンチが元気よく、落ち着いて逆転できたことが自信になっています」と話す。

 次のステージは、全国各ブロックの優勝校が集結する明治神宮大会だ。「センバツ前哨戦」ともいわれ、昨年大会では清宮幸太郎を擁する早実(東京)に1回戦で敗れており、3度目の出場で目指すは初勝利。エース春は「まずは1勝して、それから全員で優勝を目指します」と言葉に力を込めた。【鈴木正章】