夏の甲子園100回大会の主役は譲らない! 「投打二刀流」で今秋ドラフト候補に挙がる横浜(神奈川)万波中正外野手(2年)が4日、横浜市内の同校グラウンドで始動し「最速155キロ」と「40本塁打」の目標を掲げた。

 DeNAのスカウトが視察する中で約3時間、汗を流した。「欲を言えば春に155キロを出したい。今、最速は147キロですが、それ以上出ている手応えはある」。主に救援としてショートイニングを投げることの多い右腕は「相手に数字的なインパクトを与えられると思う」という。

 コンゴ民主共和国出身の父を持ち、190センチ、90キロの恵まれた体が目を引く。1年夏に横浜スタジアムの電光掲示板直撃弾を放ったパワーと飛距離は超高校級だが、昨年は試行錯誤が続いた。秋の神奈川大会準々決勝で鎌倉学園にコールド負けした後、練習試合では下位を打った。「崖っぷち」の危機感。シート打撃では厳しい内角攻めに逃げずに立ち向かう。「春までに努力して上げるしかない。通算40本打ちたい」と28本塁打から積み上げ、はい上がる。

 正月は祖父母の待つ岡山へ帰省した。目の前に並ぶケーキや揚げ物は極力控えて体作りに励んだ。「プロへ行きたい。夏の甲子園に絶対に出る」。今春センバツ出場は絶望的だが、3年連続の夏の甲子園へ向けて練習に励む。【和田美保】