聖光学院(福島)の湯浅京己投手(3年)が昨年のBCリーグドラフト会議で、富山から1位指名を受けた。2年秋まで成長痛による腰痛が出た影響で記録員を務め、痛みが治まった同年冬に内野手から投手転向。公式戦の登板はわずか2度ながら、最速145キロを誇る怪腕は「今まで1年間まともにできなかった。野球に専念できる環境で集中したかった」と意気込んだ。

 転向直後に計測した135キロの直球が評価され、3年春の県大会で初ベンチ入り。同決勝に先発し4回3失点で公式戦デビューを果たした。同年夏の県大会も背番号18で3回戦に登板。1回を投げて自己最速の145キロをマークしたが、甲子園でのベンチは外れてしまった。聖地のマウンドに立てなかったが、聖光で過ごした時間を、誇りに思っている。

 湯浅 けがをしている時は毎日が苦痛でやめたくて仕方なかったけど、その時間が自分を成長させてくれた。けがをしなければ今の自分はない。聖光に入学してなかったら、こんな考え方になっていない。

 己に降り掛かる出来事すべてが全部自分の責任と、聖光では教え込まれる。「今から自分を追い込んで、1年目からチームの優勝に貢献したい。その先にプロがある」。無限の素質を誇る右腕が、BCリーグで大きく羽ばたく。【高橋洋平】