センバツ初勝利を飾った日本航空石川が膳所のデータ解析力に驚いた。

 打者に応じて、大胆な守備シフトを敷かれ、自慢の強力打線は3回まで1安打無得点。とらえた打球が相手守備の正面を突き、「いいところに転がっているのに、そこにいるのか」と選手同士で話していたという。

 そんな流れを打破したのは、4番のひと振りだった。4回裏1死一塁で、上田優弥外野手(3年)が左中間後方に痛烈なライナーを放った。膳所の左翼も落下点に入っていたが、捕れずに先制のタイムリー二塁打になった。「(守備シフトに)最初は動揺したが、強い当たりなら、絶対に抜けると思った。打球が伸びてくれてよかった」。上田は6回にも一塁手の足元に強烈な打球を放ち、右翼線にタイムリー二塁打。3番原田竜聖外野手(3年)も4安打1打点の活躍を見せ、主軸の力でデータ野球を攻略した。

 終わってみれば、投打で圧倒。中村隆監督(33)は「守備位置はメジャーぐらいに動いていた。(膳所の)アプリはすごい。興味がある。これだけ正確にポジションが取れるんだ、と思った」と膳所のデータ班に感心しきりだった。