36年ぶりに日大山形がセンバツ舞台に帰ってくる。今日25日の2回戦で智弁学園(奈良)と対戦。仙台市出身の西島好亮内野手(2年)は、平昌(ピョンチャン)五輪フィギュアスケートで連覇した羽生結弦(23)と同じ七北田中出身。「羽生魂」を胸に、甲子園の大舞台に挑む。

 世界で活躍する羽生は憧れの存在の1人だ。「ケガを抱えた中でも、地元を元気にしてくれる滑りで結果を出した姿は励みになった。甲子園で自分も続きたい。もっと東北に元気を与えたい」。同中1年だった14年冬、ソチ五輪優勝報告会の壇上に立った羽生の言葉が、今でも心に焼き付いている。「努力は、続ければ報われる」。誰よりも説得力があった。「小さいことからでもコツコツとやる大切さを教えていただいた。それからは、努力することが楽しくなった」。野球でも私生活でも手抜きはしない。高校入学後の1人暮らしでは、洗濯物も妥協せずにピシッと干す。野球ではゴロ捕球300球と、1000スイングが日課。昨秋はチーム最多の7打点で東北4強を導いた。

 大阪・高槻市内で行われた24日の前日練習では打撃練習で快音を響かせた。「長打ではなく、ショートやセカンドの上を抜く打球が自分の売り。やってやるぞという気持ちが高まってきました。誰よりも努力した自信もある」。今大会に出場する遊撃手でドラフト候補の根尾昂(大阪桐蔭)、増田陸(明秀学園日立=ともに3年)の名前を挙げ「大会後にNO・1のショートと呼ばれる活躍がしたい」と目標を掲げた。ショートでトップに立ち、史上初の東北勢金メダル。それが西島のプログラムだ。【鎌田直秀】