プロ野球の中日、巨人などで捕手や外野手として活躍した専大北上(岩手)中尾孝義監督(62)が、就任2年目に手応えを得つつある。「ほとんどの人がプロの人が来たから、すぐ強くしてくれるだろうと思っている。学校のため、北上市のために、少しでも早く結果は出したい。それが生徒の自信にもつながる。この冬で気持ちも技術も変わってきた」。今日1日の春季県大会北奥地区予選初戦に向けた4月30日の最終調整でも、指導に熱を込めた。

 昨年3月就任し、春は県大会2回戦、夏は初戦敗退。秋も県2回戦で惜敗した。今冬は「自立」をテーマに掲げ、選手たちに考えることを浸透させた。例えば負荷のある筋トレなど、すべての練習に「なぜ、何のためにやるのか」を理解させた。打撃練習でも数や時間ではなく、どんな投手、球種にでも対応するイメージをつくり振り込ませた。

 「考える」鍛錬としてリポートも提出させ、当初は具体策がなかったが「だいぶポジティブ思考になってきましたし、走攻守すべて頭と体の両方で理解できてきたかなと感じています」と手応えを示し、「伸び率は高校生が一番ある。しんどいですけれど、まっすぐでかわいいし、楽しいですよ」と実感を込めた。06年夏以来の甲子園へ、花巻東や盛岡大付にも食い下がるつもりだ。【鎌田直秀】