天理が生駒に勝利し、夏のシード権を獲得した。今秋ドラフト候補の太田椋内野手(3年)は、この日2打数1安打。「しっかりと打てる球を待って打席に入った。フォアボールでも次につなげられる」と冷静に3四球を選んだ。

 太田は4日の樟南(鹿児島)との練習試合でレフトへ本塁打を放ち、高校通算25本に伸ばした。この冬5キロ増量し、体重は現在76キロ。「逆方向の打球が伸びるようになって、長打も打てるようになった」と実感する。

 中村良二監督(49)の提案で、この春の試合はノーサインで挑む。8回に四球で出塁した太田は、サインなしで二盗を決めた。中村監督は「考えながら自分たちでどれだけできるか。今日もエンドランとか送りバントとかポジショニングとか、もうちょっとというところがあった」と夏に向けて考える力をつけてほしいと望む。主将を務める太田も「自分たちで考えて、周りを見て野球をできるようになりました」。昨夏甲子園4強に輝いた天理が、さらなる成長を目指す。