空知、函館、小樽、室蘭、北見、十勝の6地区が開幕。空知地区で昨夏甲子園出場の滝川西が7-0の7回コールドで岩見沢西を下した。エース角田将梧(3年)が7回無安打無失点11奪三振。昨秋地区2回戦敗退から出直し、初戦を飾った。

 本来は右上手投げ。7回2死一塁、この試合25人目の打者を追い込んでから横手に変え、三振締めした。「相手が慣れてきたと感じたときに目線を変える。基本は捕手のサインに任せてます」。許した走者は3四球と2失策による5人だけ。2つの投げ方に加え、4種のスライダーを含む計10種の変化球を絡め、幻惑した。

 このオフ、中日鈴木翔太が高校時代、体重増に用いていた天かす丼を食べてサイズアップ。「同じ味だと飽きる」と麺つゆ、焼き肉のたれ、マヨネーズと自己流で味を変化させ毎昼2合食べ続けた。体重は77キロと10キロ増。筋力もスクワットプレス50キロ増の200キロと一気に鍛え上げた。

 6日の帯広南商との練習試合で1回降板。落ち込み、ベンチで声を出さなかった。大会2日前の10日、小野寺大樹監督(41)に「エースが自分のことしか考えないようでは勝てないよ」と諭された。未熟な心にスパイスを加え、まずは2年連続14度目の春全道を狙う。【永野高輔】