聖光学院(福島1位)は3戦すべて逆転勝ちで、決勝進出を決めた。弘前東(青森2位)に11-4の8回コールド。斎藤智也監督(54)は「4試合やれる権利を得たことが第一。優勝するためだけに来たわけではなく、ハイレベルで予期せぬミスや、失点が起きることを経験できれば良いと思っていた。たくましくひっくり返して、良いものが見えてきている」。今春のセンバツ大敗からの復活だけでなく、成長に手応えも得ている。

 初回から完全に打ち取った飛球を、内外野が立て続けに風の影響を受け、3度の“エラー”(記録は安打)で3失点発進した。2回にも守備に定評のある小室智希三塁手(2年)が送球エラー。4月から投手に転向し、公式戦3度目先発の川口堅投手(3年)も「さすがに『何やってんねん、しっかり投げろや』って言いました」。だが、3回以降は無失点に抑え「いろいろあって楽しかった。低めに変化球を集めて空振りも取れたし、粘り強く投げられて気持ち良かった」と信頼も強めた。

 同監督から「実質自責点0の川口に与えた4点はプレゼントしろ」と叱咤(しった)された打撃陣は、3回以降毎回得点。4回に横堀航平外野手(3年)の左前2点適時打で逆転すると、2度“落球”した田野孔誠内野手(3年)も3安打で汚名を返上した。秋春東北連覇も確実にキャッチし、12年連続の甲子園出場へ勢いをつける。