昨夏の全国高校野球選手権神奈川大会で4強進出の快進撃を見せた日大高が、今夏はノーシードから100回大会の頂点に挑戦する。

 西ノ坊廉太郎主将(3年)は「昨年は先輩たちの力で4強までいけたが、春は自分たちのプレーができずに敗れた。少し過信があったのかもしれない」と振り返る。チームの意識を変えるため、毎週の掃除や道具のメンテナンスを徹底。雑な部分を直し、野球に向き合う姿勢を変えた。「周りの選手が自分たちのやるべきことをやってくれて自分も試合に集中できるようになった」と、西ノ坊自身も正捕手の座をつかんだ。

 選手同士の意識も変わってきた。学年ごとに選手を5、6人のグループに分け「交換日記」を行っている。それぞれが日替わりでノート1ページに試合の反省や野球に対する思いを書き込み、それに対して周りの選手もコメントを記入。対面では言えないことも、言葉にして伝え合うことで絆を深めている。チームのムードメーカー的存在の大本健太外野手(3年)は「1年の時からずっとやっている。定期的に(グループの)メンバーを変えながらお互いに励まし合ったり、アドバイスをもらったりしている」と語る。冬場の厳しい練習も、春に負けたあとに落ち込んだときも、この日記があったからこそ乗り越えられたのかもしれない。

 主将の意識改革と「交換日記」による団結力が実を結び、練習試合でも手応えを感じている。チームのスローガンは「挑戦」。西ノ坊主将は「82人という選手が多い利を生かし、挑戦者として全員で甲子園をつかみ取りたい」と力強く語った。初戦は開幕日(7月8日)、横浜スタジアムで昨夏16強の大師と対戦する。【松熊洋介】