連続写真で選手を分析する「解体新書」。今回は特別版として大阪桐蔭(北大阪)・根尾昂内野手(3年)藤原恭大外野手(3年)を日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(49)が分析した。

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 根尾君の「投手」と「打者」のフォームに共通するのは、バランスの良さでしょう。まず、ピッチングについては無駄な動きがありません。

 ゆったりとした始動から右腕の振り切りのところで力が込められる。最速148キロということですが、打者としては球速以上に、キレとスピードを感じるのではないでしょうか。

 打撃は、右足を上げてから着地まで素直にボールに向かっていきます。写真は外角の変化球をセンター前に打ち返したもので、非常にボールの見方がいい。

 特に、目に留まったのは、(6)から(7)にかけてのワンポイントです。(6)では左足かかとが上がりがちなのですが、根尾君は(7)まで我慢してますよね。

 また、それと同時に、右膝、右腰が逃げない。だから目の位置がぶれないし、崩れそうで崩れない。スイングが安定しているんです。

 打っても、投げても、どちらもセンスが光っています。下半身の強さが、バランスの良さにつながっていくのは、小さい頃からスキーで鍛えられたことが多分に影響しているという見方ができますね。

 ◆根尾昂(ねお・あきら)2000年(平12)4月19日、岐阜県生まれ。小2から古川西クラブで野球を始め、古川中では飛騨高山ボーイズに所属。大阪桐蔭では1年夏からベンチ入り。3歳から始めたスキーでは、中学2年時にアルペンスキー回転で日本一。50メートル走6秒0。遠投115メートル。最速148キロ。177センチ、78キロ。右投げ左打ち。