<高校野球茨城大会:太田一8-3高萩清松>◇9日◇1回戦◇日立市民運動公園野球場

 太田一(茨城)には、チームを支える元気印がいる。小祝陽祐マネジャー(2年)は、スタンド最前列から大きな声でエールを送った。同校3大会ぶりの初戦突破を決めた瞬間は、高くメガホンを突き上げ、はじけるような笑顔を見せた。かと思うと、人目をはばからずに大粒の涙。「先輩たちが勝てて本当にうれしい…」とスタンドの誰よりも勝利を喜んだ。

 小祝は峰山中1年の時に野球を始めた。中学入学前に発覚した心室頻拍という病気をかばいながらも練習に精を出した。しかし、太田一に進学後、「高校野球は難しい」と医師から野球を禁止されてしまった。それでも野球が大好きな思いは変わらず「本当は選手がいいけれど、マネジャーとして野球に関わりたい」と、この道を選んだ。

 練習からユニホームを着て、通常のマネジャー業務に加えてグラウンド整備、ノックの球出し、バッティングマシンへの球補充、ケガをした選手とのキャッチボールも行う。3年の岡野も「明るさと愛くるしいキャラに支えられている。あいつの野球愛はチームで1番」と太鼓判を押す。小祝は「スタンドで先頭に立って、声で引っ張りたいです!」。2回戦は13日、勝田工と。スタンドから元気を届ける。【戸田月菜】