春夏連続の甲子園を狙う花巻東は、「スクランブルの伊藤」の異名を持つ伊藤翼投手(3年)が1回途中から2番手で粘投し、2年連続の初戦突破に導いた。

 先発の2年生右腕、佐藤靖友の制球が定まらず、1回途中で降板。伊藤が9回に2点を失い1点差まで詰め寄られたが、粘りの投球を見せた。「変化球を低めに集めることができた」と汗をぬぐった。

 センバツ3回戦(彦根東)では先発投手が初回先頭に死球を与え1人で交代。2番打者から伊藤が投げて、10回6安打無失点に抑えていた。

 本来は40球ほどで肩ができ上がるが、この日はわずか20球ほどでマウンドへ。それでも大崩れせず、スクランブル登板をこなしてみせた。伊藤は「びっくりしたけど、気持ちは大丈夫でした」と汗をぬぐった。佐々木洋監督(42)は「翼に準備をさせていた。うちは継投しかない」と話した。