夏の甲子園大会、大阪唯一の100回皆勤校の市岡が逆転勝ちで1回戦突破を決めた。野球部創部は1906年(明39)で今年が112年目の伝統校。白熱した桜宮との公立の雄対決を制し、応援に駆けつけた大勢のOBに白星をプレゼントした。

 3回に1点を先制されたが、5回に同点。だがその直後に3点を失った。でも諦めない。6回に藤沢紀之外野手(3年)の適時二塁打で1点を返して2点差。そして7回2死無走者から作った満塁の好機。再び打順が巡った藤沢が走者一掃の逆転三塁打を放った。「点返してもらって吹っ切れました」。先発の勝田壮投手(3年)は6回以降、2安打無得点に抑える力投。9回完投で初戦突破を決めた。

 野口諭史監督(37)は「今日の粘りはOBのおかげ」と感謝した。一昨年就任し、夏の公式戦は初勝利。「伝統の歴史はプレッシャーより力になる」。春11回、夏10回の甲子園出場。帽子に刻まれた“3本線”をシンボルマークに伝統を紡いできた。そしてその先輩たちが、一体になって声援してくれる。これ以上ない勇気をもらっていた。

 皆勤校の市岡は主将の田崎悠介内野手(3年)が、甲子園大会の入場行進を行うことが決定している。「つないでくれたOBの思いを込めて、胸を張って行進したい」と意気込む。もちろん1人ではなく、全員で行進したい。16日の2回戦、常翔啓光学園戦に向け、勝田は「次も必ず勝って、大阪桐蔭にぶつかっていきたい」と気合を入れた。100回記念の節目に古豪復活を目指す。【鶴屋健太】