加茂暁星が2試合連続逆転勝ちで4回戦進出を決めた。佐渡に13-5の7回コールド勝ち。公式戦で初めて4番に入ったエースの竹林楓也投手(3年)が2打席連続本塁打を含む4打数4安打5打点。先発投手としては4失点で2回で降板したが、打撃でチームを乗せた。

 意地だった。「打たれたので、打って取り返す」。竹林はバットで期待に応えた。先発投手として1回表に1点の先制を許し、迎えたその裏の打席。2死一塁から左翼に逆転2ラン本塁打を放つ。2-5と再びリードされた4回裏は、先頭打者で左翼にソロ本塁打。この回8安打を集め10得点で再逆転する猛攻の口火を切った。2打席連続のスタンドインは公式戦通算2、3号。いずれも「高めの直球。狙った」と会心の2発だった。

 4回裏の打者一巡の攻撃では、2度目の打席で2死一、二塁から左中間に2点適時二塁打。6回の第4打席でも中前打を放った。飯田雅司監督(41)が「投げないときでも、打者で使いたい」と言うように打力は折り紙付きだ。この試合、初めて公式戦で4番に入った。「告げられたときはびっくりした」と竹林。それでも「かえすのが4番の仕事」と意気に感じた。

 打撃は春から好調だった。夏に向けてさらに精度を上げた。打席に腰を下ろすイメージで立ち、下半身を安定させた。チーム練習後のティー打撃も欠かさなかった。エースとしては先発2回を4失点。1回表の先頭打者に四球を出すなど、立ち上がりに苦しんだ。2番手の田代祭汰(3年)にマウンドを譲り、左翼に移ってからは「打って貢献する」と気持ちを切り替えての4安打5打点だった。

 加茂暁星は初戦の2回戦・小千谷西戦(8-3)に続く、逆転勝ち。その試合で竹林は8回に代打で満塁の走者一掃の勝ち越し三塁打を放っている。チームは苦しい試合を重ねながらも売りの打撃力は発揮。「今度は自分がしっかり投げて勝ちたい」。竹林は4回戦を見据えた。【斎藤慎一郎】