「島の子イレブン」の快進撃がついに止まった。力投していた大島(東東京)のエース荒田奏斗投手(2年)が9回1死後、3連打されて0-0の均衡が破れた。球数120を超えた直後だった。「球は走っていたんです。追い込んで高めに浮いてしまって」。荒田が悔やんだ。さらに二塁打で、計3点を失った。

 打線の援護もなかった。2日前は12安打8得点の打線は、3安打するのがやっと。天野一道監督(49)が沈黙をこう分析した。「みんな疲れていました。バットが振れないんです」。前日18日、イレブンは練習場もなく、立川市内の宿舎で1日過ごした。せめて気分転換でもと線香花火やシャボン玉を買い込んで、ささやかに楽しんだ。荒田は前の試合の記憶もないほどで「熱中症気味」といい、完全休養に充てた。それでも9回はもたなかった。

 3年生4人が退部すると、部員は7人になってしまう。山住魁斗二塁手(2年)は「練習試合は相手に部員を借りて試合ができる。公式戦は連合チームかなあ」という。試合後、友情応援してくれた京華部員にあいさつし、球場を出た。目的地は竹芝桟橋ではなく、立川市の宿舎。天野監督は「みんな疲れているんでもう1泊です」。イレブンは20日午後、5日ぶりに島に戻る。【米谷輝昭】