小倉の大黒柱・河浦圭佑投手(3年)が悲願を前に涙した。決勝をかけて飯塚戦で、まさかの8失点。古豪復活をかけた道のりでチームをけん引してきた右腕が力尽きた。「最後に自分の投球ができなかった。申し訳ない気持ちでいっぱいです」。声にならない声で、チームへの気持ちを口にした。

 1回に1点を先制して迎えた2回。下位打線に逆転3ランを許した。さらにその回に2点を追加され、一挙5失点というビッグイニングをつくられた。「もう1点を取らせないという気持ちが空回りした」とその後も3失点。がん闘病を続けながら投手を指導する小倉OBで元ヤクルト投手の安田猛スーパーバイザー(71)から「3点以内に抑えれば勝てる」と試合前にハッパをかけてもらっていたが、二人三脚の甲子園は夢と消えた。

 打線が4点ビハインドで迎えた9回に2点を奪って粘りを見せた。「みんなが最後まであきらめずに打ってくれたのは感謝したい。自分が抑えていれば…」。河浦は最後まで自分を責めていた。