これぞ二刀流の活躍だ。木更津総合・野尻幸輝内野手(3年)がサイクル安打を達成。投げては先発で6回を投げ2安打3三振で0封。投打にわたる大活躍で、堂々とライバルの大阪桐蔭・根尾との甲子園での対決を望んだ。

 2回、最初の打席に立つと「思い切り振ってチームを勇気づける」と、初球をフルスイング。右翼スタンド上段へ突き刺した。快音が止まらない野尻のバットは、3回には1死から右中間を破る三塁打。5回には遊安打。そして、2点追い上げられて迎えた9回表には、無死一塁から右前の適時二塁打を放ち、サイクル安打を達成して、二塁上でガッツポーズを見せた。「チームのために打ったヒットがサイクル安打になっただけ。流れを変える一打を打ててうれしかった」。記録よりも勝利。4番の責任感は誰よりも強かった。

 野手兼投手として活躍中の大阪桐蔭・根尾とは、中3の時、岐阜県のボーイズリーグ県選抜で一緒に戦った仲だ。試合では3番根尾、4番を野尻が打ったが、高校では根尾が1年から甲子園で活躍。この2年半「自分も同じ舞台で活躍したい」と奮い立たせてきた。「根尾の活躍にはいつも刺激を受けている。甲子園で対戦したい」。ライバルとの対決実現に闘志を燃やしている。【保坂淑子】

 ◆野尻幸輝(のじり・こうき)2000年(平12)10月6日、岐阜県山県市生まれ。小1から野球を始め、高富中では関ボーイズに所属。木更津総合では1年春から内野手として出場し、昨年秋から投手も務める。178センチ、80キロ。右投げ左打ち。