第100回全国高校野球大会(8月5日開幕、甲子園)の南北海道代表、北照が23日、同校グラウンドで練習を再開した。上林弘樹監督(39)は甲子園での酷暑対策の一環として「半袖アンダーシャツ禁止」を発令した。冷涼な道内での事前対策と、猛暑の関西入り後、日焼けによる体力消耗を避けるのが狙い。この日、埼玉・熊谷では国内観測史上最高の41・1度を記録。近畿地方も連日猛暑日が続いており、部長として10、13年に出場した2度の体験を生かす。

 積み上げたキャリアを聖地で存分に活用する。上林監督は練習前に選手を集め、練習は長袖アンダーシャツで臨むよう指示した。この日の小樽は最高気温21度、甲子園のある兵庫・西宮は35度と、14度の開きがある。大会期間も同様に猛暑日が続くことが想定され、上林監督は「向こうでは気候が全然違う。暑さ対策もそうですが、半袖だと日焼けして疲れさせてしまうので」と2つの理由を説明した。

 東海大北海道を卒業後、母校コーチとして02年から3年、05年から16年まで12年間、部長を務めてきた。10、13年の夏の甲子園は、部長として監督や選手のサポート役に徹した。その際に気づいたこと、準備した持ち物のリストが、しっかりと頭にインプットされている。「首回りを冷やす冷却タオル、岩塩タブレット、そして経口補水液を、事前にしっかり準備していきたい」。練習での服装に加え、3つの必需品を携えて、聖地に乗り込む。

 南北海道大会期間中、昨年まで3年連続で甲子園に出場した北海の平川敦監督(47)から、試合中の投手の首回りや頭部を氷嚢(ひょうのう)で小まめに冷やす重要性を伝授された。「すごく参考になった。実際に経験した方のアドバイスなので、ありがたいです」。監督歴20年、16年に決勝まで進出したベテラン監督の知恵も頭に入れ、エース原田の好投を引き出す。

 優勝した前日の帰宅後、8月2日の抽選会を考え、自宅のクローゼットから、スーツを取り出した。夫人に「これ、5年前に買ったスーツだな」とさりげなく話すと、選手からプレゼントされたネクタイの話や節目100回目の甲子園という話題も絡み、新規購入をすすめられた。「大河(恭平)部長がセンスがいいので、一緒に行って、もらったネクタイに合うものを選んでもらいます」。自身の身だしなみもバッチリ整え、夏1勝への運気を引き寄せる。【永野高輔】