弥栄は、史上初の4強入りへあと1歩届かなかった。

 4-10で迎えた8回、大差はついていたが、選手の粘りが光った。2死一塁、野口晃生外野手(3年)の左越え二塁打で1点を返し、さらに2死二塁、泉隆樹内野手(3年)の中前打でさらに1点。2死から3連打で追い上げ、スタンドの大応援団の声援もあり、球場の雰囲気は一気に盛り上がった。

 9回にも2死二塁、代打の森川稔弘外野手(2年)が放った打球が一塁に当たり、方向が変わってラッキーな右前打に。さらに1点を追加したが、3点差で力尽きた。

 初戦からの3試合、フルイニングを1人で投げ抜いた河野翔英投手(2年)は、被安打12の10失点(自責点8)。試合後は、泣き崩れた。「連投の疲れはあったけど、気持ちでいくしかないと思っていた。8強の壁を乗り越えるためには、もう1度自分の投球を見つめ直したい」と来年に向けて話した。

 安打数は、第1シードの桐光学園を4本上回る16本。相手の2枚看板の谷村、冨田を打ち崩し、7点を奪った。気迫のヘッドスライディングを重ね、ユニホームは真っ黒になった。坂口泰志郎主将(3年)は「前半に点差がついてしまったけど、追い上げることができた。最初は固かったけど、切り替えてやった結果。自分たちのエラーを、私学は逃さない」とミスを悔やんだ。