第100回全国高校野球選手権記念大会が明日5日、甲子園球場で開幕する。組み合わせ抽選会から一夜明け、作新学院(栃木)、慶応(北神奈川)、日大三(西東京)など5校が鳴尾浜臨海野球場で汗を流した。作新学院は今春センバツVの大阪桐蔭(北大阪)との初戦に向け、限界突破の指示が飛んだ。今日4日は、開会式のリハーサルが行われ、入場行進や選手宣誓などの練習が行われる。

 作新学院・小針崇宏監督(35)は“リミット解除”を強調した。練習時間が2時間という限られた中、紅白戦1回終了後に、約20分間選手を三塁側ベンチに集めた。小針監督は「初回の重要性を説きました。普段通りの野球はできていましたが、普段通りすぎる。リミットを外さないと。自分たちの野球ではなく、新しいことをやらないといけない」とゲキを飛ばした。

 その言葉通り紅白戦で登板したのは、林勇成投手(2年)と栃木大会では登板機会のなかった宇賀神(うがじん)暁投手(3年)。県大会で投げた3人だけでなく、4人目にも期待する。小針監督は「ベンチに入っている4投手が束になっていかないといけないので。投げてもらわないと困る」。

 磯一輝主将(3年)もこれまで元ヤクルト古田敦也氏(52)の著書「フルタの方程式」を読み築き上げたリード論があるが、それをも捨て“リミット解除”に取り組む。「(大阪桐蔭は)県レベルとは格が違う。140キロの球を投げていても打たれる。今までの配球を捨てて攻められるように、一から考え直します」と話した。

 この練習後から、改めて大阪桐蔭対策を話し合っていく。小針監督は「うまい下手ではなく、戦う前からびびっている。敵は己。作新学院が変われるチャンス」と選手に伝える。8年連続甲子園出場の作新学院は生まれ変わって春の王者に挑む。【久永壮真】