日南学園（宮崎）が、春夏通じて初めて甲子園で完封負けを喫した。

　常葉大菊川（静岡）の先発、漢人（かんど）友也投手（３年）の前に、７安打を放つも強攻策が裏目に出るなど、４併殺でチャンスをつぶした。春５度、夏は９度目となる甲子園で、初の完封負けに金川豪一郎監督（４１）は「私の指示が徹底していなかった。ファーストストライクを積極的に打てと伝えていたが、厳しいコースでも手を出してしまっていた」と悔やんだ。

　先発の辰己凌晟（りょうせい）投手（３年）は完投も３失点で敗戦。リードした主将の蓑尾海斗捕手（３年）は、元ヤクルト、楽天監督の野村克也氏ばりに「つぶやき作戦」で打者をかく乱しようとしたが「（１番の）奈良間くんに対して２打席目に入る時に『（１回戦で）直球をホームランにしたよね』って言ってみたら『うん』って返してきたが、その後は集中されてしまいました」と苦笑い。結局、その打席で二塁打を許すなど、常葉大菊川打線に奏功しなかった。