新潟南は長岡に5-0で勝ち、02年夏以来の県8強入りを決めた。エース清水響介投手(2年)が被安打2の10奪三振の完封投球を演じた。準々決勝は19日にハードオフ新潟で再開する。

マウンドで清水が笑みを浮かべた。表情を崩しながらの「リラックス投」を続けた。ところが、投じる球は厳しいコースを突く。外角低めに決まるスライダー、フォークに長岡打線のバットはついていけなかった。奪った10三振のうち、空振り三振は7個。許した安打も右前に落ちる力ない打球と、二塁への内野安打の2本だけだった。9回1死一塁のシーンは二塁-遊撃-一塁の併殺で仕留め、最後も笑顔で締めくくった。

「捕手(岩渕大)が笑え、笑え。楽に、楽に、というジェスチャーをしてくれたので楽になった」と清水は言う。7-0で勝った支部予選の初戦(2回戦)新津工戦に次ぐ完封投球。7-1で勝った3回戦の新発田戦も1人で投げ抜き、今秋通算27イニングを、わずか1失点で切り抜けている。夏は5番打者の一塁手として出場していたが、今秋は信頼度抜群のエース。「絶対に打たせない、と強い気持ちで耐えていた」と長岡戦を振り返った。

直球の最速136キロの清水は制球力が課題だった。「下半身から作ろう」と夏休みに徹底して走り込み、制球力をつけた。グラウンドで75メートルダッシュを1日30~40本。「バッテリー長」の役目を担っている清水は、投手陣の先頭に立って取り組んだ。地道な努力が「自分でもビックリしている」という快投に結びつけた。OBの三富一彦コーチ(56)は「まだまだ。内角を使えるようになると、もっと良くなる」と話しただけに、完封を演じた清水はまだまだ進化する。【涌井幹雄】