秋田修英は7-0の8回コールドで秋田商にサヨナラ勝ちし、創部56年目で秋春通じて初の東北大会出場を決めた。エース左腕・西岡海斗(2年)が2安打完封。5番打者としても2点先制打を放ち、勝利に導いた。

敗者復活戦から勝ち上がった県南地区第7代表の秋田修英が、中央地区第1代表の秋田商に快勝した。大曲東時代を含め、チーム初の東北大会を決めた選手たちは、ガッツポーズ歓喜を爆発させた。

地区代表決定戦から5連投の西岡が3戦連続完投を、完封勝利で飾った。今春の県大会初戦で6失点し敗れた相手を計99球で料理した。西岡は「直球で勝負した春は力んでしまって、こてんぱんにやられた。勝つことが一番なので変化球で芯を外して打たせて取ることだけを考えた」と、大人の投球を見せた。

最速140キロもスピードを抑え、「6割くらいの力」で投げた。力で勝負した地区2回戦の横手戦は7安打12奪三振。だが逆転負けして開眼した。制球重視に切り替えた同代表決定戦(角館戦)は1安打12奪三振で1失点完投。「球速がでなくてもコースを突けば勝てる」と力を抜いても抑えられることを会得した。計6奪三振のこの日は「勝てばいい」と三振へのこだわりも捨てた。就任9年目の鈴木寿宝(ひとし)監督(55)は「落ち着いて我慢強く投げた。精神的に成長した」と合格点を与えた。

打撃でも3回裏1死二、三塁から中前2点先制打を放って波に乗った。この回、8番山内啓輔捕手(2年)も西岡をかえす中前打を放ち、バッテリーで3点を先取。「(西岡を)少しでも楽にしたかった」と女房役の務めを果たした。新チーム移行後、県内最多の公式戦7勝1敗。今日23日の決勝は地区予選で敗れた横手との再戦だ。西岡は「1回負けているのでぶっつぶしてやるつもりで投げたい」と連投覚悟で県大会初制覇を誓った。【佐々木雄高】