秋季高校野球東北大会準決勝2試合が今日17日、秋田・こまちスタジアムで行われる。2戦連続逆転勝ちの花巻東(岩手2位)は八戸学院光星(青森1位)と激突する。

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八戸学院光星の4番近藤遼一内野手(2年)が、今夏の甲子園メンバー外の悔しさを晴らす。秋田南高グラウンドで行った打撃練習では快音を連発。羽黒との準々決勝でも2安打2打点と好調で「今日の練習でも打球を遠くに飛ばせたし、逆方向にも強い打球を打てた。センバツに出たい気持ちは人一倍強い」と長打で勝利を導くつもりだ。

花巻東との練習試合(9月)では、3ランを放って5-3と逆転勝ちした。「花巻東の投手は変化球でカウントを取ってくるイメージ。初球を積極的にいきたい。抜いた球で体勢を崩されても、片手1本でヒットにする練習もしてきた」。甲子園後、高校日本代表のコーチ業で離れた仲井宗基監督(48)を、合流後に驚かせるほどの成長だ。過去に同監督が同コーチを務めた13、15年は、ともに決勝進出。「センバツ出場確率100%」をフルスイングで実証する。

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花巻東の中森至投手兼外野手(2年)が、投打でセンバツ出場を導く。秋田中央高グラウンドでの練習では、ポストシーズン史上初のノーヒットノーランを達成した巨人菅野智之投手(29)を意識し、約30球のブルペン投球。14日の夜は宿舎で同試合をテレビ観戦しており「球数を少なく、打たせて取るイメージ。今まではテンポを意識してきたが、1球1球コースに投げ分けること」。仙台育英(宮城)との準々決勝では2点リードされた場面で登板。7、8回をともに5球で封じるなど“菅野モード”で5回1/3を無四球無失点に抑え、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。

2番打者としても聖光学院との2回戦で逆転打を放つなど存在感が際立つ。小猿のような愛くるしさで、打席に立てば「アイ、アイ、お猿さんだよ~」の応援。「最初は笑っちゃいましたが、慣れてきました…」。「花巻のサル」が投打で相手に勝る。【高橋洋平、鎌田直秀】