秋季中国大会が開幕し、来年のドラフト候補である創志学園(岡山3位)の西純矢投手(2年)が力投し、チームを勝利に導いた。

鳥取城北(鳥取1位)を相手に、自慢の速球とスライダーを有効的に使い、打たせて取る投球を見せた。4回に左越えに2ランを浴びたが「ホームラン打たれてから修正できた」と立ち直り、8回3失点の内容で試合を作った。打線も相手の失策や四球につけ込み、9得点を挙げて、準々決勝進出を決めた。

西は今夏の甲子園初戦で創成館(長崎)を相手に、16奪三振完封で鮮烈な聖地デビューを果たした。2回戦では、派手なガッツポーズを審判に注意され、動揺して敗退した。「次は自分が引っ張る立場。周りの人が不快に思う行為は無くしていこう」。ガッツポーズ封印を心に誓い、三振を奪っても、冷静に振る舞った。全力投球をするたびに落としていた帽子も変更。角形で黒色だったものを、丸形で白色のものに一新した。「深くかぶれるようになった」という。

前日に行われたドラフト会議を見ていた西は、プロへの思いも口にした。「藤原さんや小園さんみたいな選ばれる選手になりたい」。ともに甲子園を沸かせたヒーローたちの姿に刺激を受けた。特に、楽天3位で指名された同じ岡山の倉敷商・引地秀一郎投手について「夏の予選で投げ合って、いろいろと学んだ。あの人と一緒の舞台でまたやりたい」とプロ入りへの気持ちが一層強くなった。