昨夏、高校野球新潟大会ベスト8の加茂暁星のエースで4番打者・竹林楓也(18=3年)が独立リーグ・四国アイランドリーグplusの徳島に入団する。17日に同校を退寮し、明日19日にチームに合流する。最速144キロの速球と長打力を武器に「二刀流」で注目されたが、徳島では投手に絞り今秋のドラフト指名を待つ。

思い出が詰まった寮に別れを告げる竹林に感傷に浸るそぶりはない。17日に福井の実家に戻ると身の回りの生活用品などを準備し、今日18日に徳島入り。19日の球団首脳陣との面談に臨み、20日からはさっそく合同自主トレが始まる。

「すぐに始まるので体は動かしていました」。昨年12月に特別合格選手として徳島入団が決まった後、トレーナーからメニューをもらい、筋トレなどをこなしてきた。昨夏県大会で引退後も、後輩とともに練習し、準備に抜かりはなかった。

徳島からは昨秋ドラフトで鎌田光津希投手がロッテに育成1位で指名されるなど育成を含め6年連続で指名選手を輩出する。竹林にはBCリーグ新潟など独立リーグ複数球団から接触があったが「投手を育てているイメージがある」と徳島の評価を喜んだ。

最速144キロの速球以外に184センチの体格を生かした長打も売りだ。昨夏の県大会3回戦・佐渡戦では2打席連続本塁打。徳島のスタッフから打者としても高評価も聞いたが「基本は投手。球速は150キロを出せるようになりたい」と目標を立てた。加茂暁星の飯田雅司監督(41)も「確かに打力はある。ただ、総合的に考えたら投手でいくべき」と投手専念を推す。

その上で飯田監督は「ドラフトにかかるために必要なのはメンタルの強さ。自分のことを第一に考えないと」とアドバイスした。飯田監督は元ロッテ内野手。身をもって知るプロの厳しさを直接伝えた。

竹林も自覚する。「これからは自分ではい上がっていく」。徳島の同期入団は19人で、うち投手は8人。「相手を蹴落としてでも、という部分が、まだ自分には欠けている」と言い、「秋にはドラフト指名を受けて、加茂暁星にあいさつに行きたい」。競争を勝ち抜く意思を言葉にした。【斎藤慎一郎】

◆竹林楓也(たけばやし・ふうや)2000年(平12)6月2日生まれ、福井県敦賀市出身。敦賀西小3年で敦賀西ドリームスで野球を始める。松陵中では敦賀ボーイズ、嶺南敦賀シニアに所属した。加茂暁星では1年春からベンチ入り。好きなプロ野球選手は日本ハム平沼翔太内野手。184センチ、85キロ。右投げ右打ち。