第91回センバツ高校野球の選考委員会が25日に行われ、昨年の秋季中国大会を制した広陵(広島)が6年ぶり24度目のセンバツ出場を決めた。中井哲之監督(56)は「すごくうれしいです」と喜びを口にしながら、グラウンド後方のスコアボードを向き、表情を引き締めた。

「昨年の神宮大会であまりにもみじめな負け方をした。ああやって目に焼き付けてきつい練習をしてきた」

昨秋の神宮大会1回戦。今秋ドラフト注目の奥川恭伸投手(2年)擁する星稜(石川)に0-9の7回コールドで力負け。新チーム初黒星は、完敗だった。あの日から広陵グラウンドのスコアボードは、その試合のスコアが表示されている。

4番の中村楓大内野手(2年)は中国大会で14打点(13試合)を挙げたが、神宮大会の星稜戦では3打数無安打。「1スイングで決められなかった。ミスショットせずに一発で仕留めないといけない。奥川は他の投手とは違った」。チームとして体重3キロ増、太もも3センチ増を目標に掲げ、中村も打撃の土台となる下半身強化に努める。星稜との再戦に「打つ自信はあります」と闘志をみなぎらせる。鍛錬の冬を越えて、春の聖地でたくましくなった姿を見せつける。【前原淳】