【第1試合(11:00)習志野(千葉)-明豊(大分)】

10年ぶり4度目の出場の習志野と、10年ぶり3度目出場の明豊は、ともに勝てば初の決勝進出となる。

習志野は2回戦の星稜(石川)との試合でサイン盗みの疑惑が表面化。3回戦の市和歌山戦が注目されたが、試合巧者ぶりを発揮して2点をリードされながら小刻みに得点し、逆転勝利につなげた。打線では3番打者の角田勇斗内野手(2年)が好調で3安打2打点でチームに流れをもたらした。

主戦飯塚脩人投手(3年)が市和歌山戦では2回からロングリリーフで8回無失点と試合を作った。ここまで下手投げの岩沢知幸投手(3年)が先発し、飯塚が救援という継投を続けており、明豊戦での投手起用が注目される。

星稜戦で奥川から右足に死球を受け欠場している根本翔吾外野手(3年)が戦列に復帰できるかで、チームの士気は大きく変わる。

小林徹監督(56)は沈着冷静。市和歌山戦では序盤に失策が目立つ不安定さにも慌てず、中盤以降で主導権を取り返す采配を見せている。

◆習志野の主なOB 元中日谷沢健一、元阪神掛布雅之、ヤクルト小川淳司監督、ロッテ福浦和也

 

チーム初のベスト4進出を決めた明豊は、並み居る強豪を倒して勝ち上がってきた。初戦で横浜(神奈川)に快勝。プロ注目左腕の及川雅貴投手(3年)攻略に成功した。2回戦では昨秋の明治神宮大会覇者、札幌大谷(北海道)に1点差で競り勝ち。準々決勝では昨秋の近畿王者、龍谷大平安(京都)にサヨナラ勝ちを収めた。1戦ごとに投打がレベルアップする戦いぶりは、勢いだけではないことを証明している。

川崎絢平監督(37)の采配がことごとく結果に結びついている。スタメン起用の選手が活躍すれば、3人の投手の交代もピタリと当たっている。準々決勝では守備固めで途中出場の選手がサヨナラ打を放った。現役時代、智弁和歌山で全国V経験を持つ青年監督の読みにも注目だ。

左腕の若杉晟汰投手(2年)右腕の大畑蓮投手(3年)に加え、右ヒジ故障完治で大会直前で登録した右腕、寺迫功介投手(3年)が龍谷大平安戦で完全復活を証明。打力が売りのチームに投手力の厚みが増してチーム力もさらに上がった。

◆明豊の主なOB 元阪神城島健司、ソフトバンク今宮健太、元日本ハム石本努