智弁和歌山の1年生・徳丸天晴(てんせい)外野手が、初の公式戦で鮮烈な4番デビューを飾った。和歌山東戦で主軸を託され、左翼で先発出場。第2打席に公式戦初安打となる中前打。6回表の第3打席では1死一、二塁から左前適時打を放つなど、4打数2安打1打点。6-2の勝利に貢献した。「緊張したけど変なことを考えず、立ち向かうことを意識しました」。大柄な体格の1年生4番には、早くも貫禄すらにじんでいた。

中谷仁監督(39)は「(4番は)練習試合の結果を見ても彼しかいない。どしっと座ってもらえるだけの飛距離がある。期待しています」と起用の意図を説明した。実は2度目の“師弟関係”。徳丸は小6でタイガースジュニアに所属し「中谷監督に小学校の時に教えてもらった」と、当時指導を受けた縁もあり、智弁和歌山へ進学した。中学通算22本塁打のパワーヒッター。今月中旬の明石商(兵庫)との練習試合でも4番に座り、高校通算1号を放っている。

名の通りの活躍だ。由来は「男らしくあっぱれ(天晴れ)としてもらいたい」と父・博之さん。徳丸も「いい名前をつけてもらいました」とはにかむ。スーパー1年生としては、高知・森木大智投手が話題を呼んでおり「まだ森木くんより知られていないと思う。負けないように練習したい」。高校球界にまた1人、期待の新星が登場した。【望月千草】

◆徳丸天晴(とくまる・てんせい)2003年(平15)9月4日生まれ。大阪府出身。父の影響で成育小3年から野球を始める。学校のソフトボールチーム成育連合子供会とベースボールスクールポルテでプレーし、投手兼遊撃。小6時は阪神タイガースジュニアにも所属。蒲生中では大阪東ボーイズに所属し、投手兼外野。184センチ、79キロ。右投げ右打ち。50メートル走6秒4。