第100回大会を沸かせた旋風から一転、今夏は逆風からスタートする。昨夏の甲子園で準優勝した金足農が攻守に精彩を欠き、1-8の7回コールドで秋田南に完敗。敗者復活戦にも進めず、夏はノーシード発進が決定した。

看板の機動力が空回りした。1回表に無死満塁から押し出し四球で労せず先制も、交代した秋田南・湊幸進(こうしん)投手(3年)に完璧に抑えられた。5番池田翔外野手(3年)は簡単に三振に倒れ、6番高橋祐大内野手(3年)はカウント2-1からのスクイズに失敗(結果はファウル)。結局、無死満塁で1点しか奪えず、流れを手放した。湊には6回2死まで打者19人連続で打ち取られ、安打は単打3本のみ。中泉一豊監督(46)は「スクイズ失敗に、チャンスの場面なのに見逃し三振。攻撃が悪かった」と悔やんだ。

守備も3失策。同点の3回裏2死三塁で二塁手の失策から勝ち越され、6回裏にも2失策が絡んで大量7点をリードされた。「送球やカバーもできてない。取れるアウトを取れず、自分たちで自分を苦しめていた」と中泉監督。沢石和也捕手(3年)も「点が取られた後や攻撃が簡単に終わった時に、ベンチが沈んでしまった」と振り返った。

昨夏の準Vメンバー9人が残り、うち7人がスタメン。だが昨夏は秋田大会から今春卒業したオール3年生9人だけが試合に出場し、現メンバーはベンチを温めただけ。経験値不足は否めなかった。それでも新入生が22人入部し、総勢54人で競争は激化した。「昨年の夏とは比べていない。3年生から1年生まで全員が戦力。夏までに試合で勝負できる選手を育てたい」と中泉監督。初戦敗退の屈辱は、夏に晴らすしかない。【相沢孔志】