初出場の加藤学園は、初戦で姿を消した。今春選抜出場の津田学園に対し、一時は同点に追いつく粘りを見せたが、中盤以降に突き放された。

0-2の5回裏2死一塁。8番藤原颯二郎内野手(3年)が、右越え同点2点本塁打を放った。内角直球を強振し、公式戦初本塁打。「今大会で最も良い当たり。初球が変化球だったので、2球目は真っすぐを狙っていた」と振り返った。

だが、同点に追いついた直後の6回に決勝点を献上。その後も追加点を許した。安打は津田学園の16本に対し、わずか2本。長打の数も相手の7本に対し、藤原の本塁打のみにとどまり、攻撃力の差が明暗を分けた。米山学監督(41)は「即座に得点につながる、二塁打を打てるチームは強い。基礎的な打力に大きな差を感じた」と、夏への課題を挙げた。

チームは、着実に成長してきた。昨秋は県4位。春は県準優勝で、東海大会出場を果たした。右肩上がりに安定した成績を収め、春夏通じて初の甲子園出場も手の届く位置にある。藤原は「冬場に打撃を鍛えたが、まだまだ。速い球に振り負けない力をつけたい」。春の課題をクリアし、夏に向かう。【古地真隆】