横浜(神奈川)の主軸・内海貴斗主将(3年)が、不調に苦しんでいたエース左腕・及川雅貴投手(3年)同様に、ようやく調子を取り戻した。

日大三(西東京)との練習試合。第1試合で相手のドラフト候補右腕・井上広輝投手(3年)から二塁打を2本、広沢優投手(3年)からも安打を放ち、猛打賞の活躍を見せた。特に4回の第2打席、井上の143キロ直球を捉えたセンターオーバーの二塁打は、高校生ばなれした打球の勢いだった。好調のまま、第2試合では右翼へ高校通算20号となる本塁打を放った。

今春センバツは初戦敗退。直後のU18高校日本代表1次候補合宿では、大船渡(岩手)・佐々木朗希投手(3年)の歴史的1球を打席で目撃した。「163キロを体験した男」として話題になったが、そのあたりからバットが湿った。「163キロの影響か?」と一部でうわさにもなるほど。「それはないですよ」と笑う表情もどこかさえないほど、スランプに陥った。

「どう打ったらいいのか分からなくなって」と悩み、気分転換に打席での手袋を白から黒に変えるなど、もがき続けた2カ月ちょっと。タイミングの取り方を微調整。悠然とした構えを取り戻し、夏本番を前にようやく本来の打撃を取り戻してきた。

第2試合では内海につられるように、小泉龍之介外野手(3年)も高校通算18号のソロ本塁打を放ち、津田啓史内野手(2年)にも2ランが出た。「夏は打線もしっかり投手陣を盛り立てなければ」とかねて話していた内海。結局2試合で5安打、ホームラン性の大飛球もあり、試合後には日大三・小倉全由監督(62)に「キャプテン、打ちすぎだよ!」と笑いながら声を掛けられていた。