双子の1、2番の夏が終わった。玉造工(茨城)の栗又勇輔内野手と康輔外野手(ともに3年)は、1回戦での敗退に「(お互いに)良い形でつないでいくことができなかった。チームメートにも申し訳ない」と肩を落とした。

小学4年で野球を始めてから8年。毎日のように、打撃フォームなどアドバイスし合ってきた。母早苗さんが「対照的な2人」と話すように、活発で面倒見の良い兄の勇輔は照れてしまい、表立った努力が苦手なタイプ。一方、控えめな弟の康輔は地道に努力を積み重ねるタイプだった。

努力の方法は違えど、2人は同じ目標を立てた。高校在学中での資格の取得だった。

練習と授業の合間に努力を重ね、勇輔はアーク溶接とガス溶接。康輔は、危険物取扱者、基礎製図検定、アーク溶接を取得した。兄は「野球も(資格も)努力してきたから悔いはない。後輩には、来年も自信を持ってプレーしてほしい」と振り返る。野球も勉強も友情も。高校野球は、たくさんのことを教えてくれた。【倉田祥太】