プロ注目の最速152キロ右腕、谷岡楓太(ふうた)投手(3年)が9点リードの7回に登板した。1イニングを投げ、2四死球で無死一、二塁のピンチを作ったが、そこから3者連続三振。四球の前には暴投もあり「初戦で、夏の県大会の雰囲気が久しぶりで力んでいました」とドタバタの内容に苦笑いだった。

「持ち味」という球威のある直球で押した。「真っすぐが走っていて、抑えだったので飛ばしていった」。制球が乱れていきなり走者を背負ったが「修正できた。(走者を)出してしまったので、全部三振に取ろうと思いました」。得点圏に走者を置いて迎えた相手の5、6、7番に対して16球を投げ、そのうち15球が直球。6番打者への3球空振り三振を含め、有言実行の「KKK」だった。

入学時の谷岡は最速125キロだったが、トレーニングを重ね、昨秋151キロを記録。今年6月には152キロをマークするなど、まだまだ成長中。豪腕ぶりが広まりつつある右腕は「広陵を倒さないと甲子園は無理。順当に勝ち上がれば決勝で当たるので倒したいです」と闘志を燃やす。

ネット裏にはNPB5球団のスカウトが視察。谷岡が登板すると、スカウト陣は一斉にスピードガンを構えた。この日の最速は楽天が計測した148キロ。視察した広島白武スカウト部長は「まっすぐがいい。スピードが出ていた。変化球も良いし。体はまだ成長段階かな」と話した。【望月千草】